レントゲン静止画像の限界

先日の新期クライアント様。50歳女性で、主婦の方です。

 

〈腕が痺れる症状で大学病院を受診。〉

本人は自覚は無いが恐らく首からきていると言う医師の診断で、その後首のレントゲンでヘルニアが見つかり、リハビリをすることになりました。

ところが、週に2回リハビリを実施しても腕の痺れはおろか、けん引療法をする度に貧血になったり、めまいがきたり、痛くなかったはずの首自体まで痛くなって、日常には目眩や立ちくらみなども起こるようになり、結局4カ月の時点で自分の判断でリハビリを中断。手術を勧められたが保留しました。

 

それから当院に来院されました。

動診していくと首自体よりも股関節や骨盤のスムーズな連動不足、さらに右肘や頭蓋骨のスムーズな動きが無かったので、骨盤を起点に施術していくと、その時点でしびれが緩和。

こめかみの捻じれがあったので、調整してみた所、ふらふらだった歩き方がスムーズになりました。

 

毎回のことですが、整形外科診断の、原因とされる首は触診しただけで実際の施術では触れませんでした。

 

本人に確認したら最初の悪い状態が10だとすると、残り4くらいまで下がったとの事ですので、とりあえず初診はそれまでにしました。

 

3日空けて2回目、1回目終了時よりは少し状態が戻るものの、それでも10のうち5くらいとの事。しびれは軽減したがまだある。でも目眩や立ちくらみ、歩行時のフラフラ感はありません。ただ、初診時よりも首の痛む箇所が絞れてきたとの事。

2回目はちぐはぐな連動をしている身体の修復作業をしました。

一つの動作を、腕や足といったパーツだけで行うのでは無くて身体全体が連動して動くように整体していきます。

運動時にちゃんと身体全体が連動して動くように足や骨盤から痛み無く整えていきました。こめかみもまだ少し違和感があったので再度施術。

2回目の終わりは残り2,3と言った所。自宅で行ってもらう自力整体を指導して取り組んでもらいます。

 

1週間開けて3回目。今回は自力整体を一生懸命実施してくれたおかげもあってか、前回よりも良くなっていました。しびれや首の痛みは寝起きだけ。その他はあまり気にならないという事。ここまでくると、初診時の辛い表情とは同一人物とは思えません。施術は2回目とほぼ同じ内容。さらに新しい自力整体。

ここまで来たらもう心配ないと判断したのですが、念の為もう一回だけ1週間後に来てもらうことにしました。その後はどんどん感覚を開けて経過を見ていきたいと思います。

 

レントゲンは便利な道具でしょうが、当然静止画しか撮れませんし、重力がかかる立位での運動時の状態はわかりません。

お医者様が最初に首が原因と決めつけてかかってしまったのも、検査の段階で間違っているのでそれからのリハビリも当然効果が出ません。そもそもけん引療法って何十年も変わっていませんよね。。。真上にけん引するだけで本当に効果があるのか?

 

今回のように足に歪みがあるとします。体は繋がっていますので、足の歪みが骨盤、背中、首と引っ張っている場合があるとして、それがヘルニアを作っている場合、安易に真上にけん引してしまうと首自身は足からも、上からも引っ張られてさらに負担が増すとは考えられないでしょうか?

やはり全身のバランスをちゃんと見ていかないといけないと、と考えます。

 

そもそも最近の考え方では「ヘルニアが直接しびれと関係するわけでは無い」との論文もあるそうですし、大人になれば軽いヘルニアは誰にでもあるそうですので、いちいちしびれや痛みがヘルニアからくると考えるのは古いかもしれません。

けん引中にめまいや貧血が起こること自体本当に危険ですが、実は意外と同じような体験をされているクライアント様は多いです。

今回も、単純に首が原因でなかっただけだと思います。当然手術もしないとの事。

 

お役に立ててホッとしました。

 

 

 

 

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